報告文〜2001年11月25日
暴力から自分を守る〜護身法をやってみよう
 性暴力を許さない女の会の青木ももこさんと赤坂ひろ子さんを講師に、11月25日に女性のための護身術の公開講座を開催しました。毎年11月恒例のテーマで、おふたりに来ていただくのは今年で3年目になります。当日は、WCKスタッフも含め、総勢12名が参加し、暴力から自分を守る基礎的なこころがまえと、だれでも使える護身術を教えてもらいました。

  同会は、「性暴力を防ぐために、女性が相手に抵抗して反撃できるようになるべきだ」という考え方から護身術の講習をおこなっているのではありません。大声を出すことに慣れていないからできないとか、「相手に痛みを与えるなんて、していいのかな」とためらって反撃できないことが、暴力を受けたときの私たちの選択肢のひとつをあらかじめ奪っているのなら、護身術を身につけて、場合によっては使えるようになっておくのもいいのではないかという考え方です。

 私たち女性は、小さいころから、暴力的でないように育てられるというか、大声を出したり、不機嫌な顔をすることすらたしなめられて育ちます。「いつも笑顔のかわいい女の子」でいることが期待されています。反対に男性ならば、たいていの暴力に慣れ親しんで育ちます。やはり女性と男性では、突然の暴力へのとっさの反応は違ってくるでしょう。女性としてこの社会の中で育つことは、自分自身を肯定することが困難なだけでなく、自分を守るための選択肢も狭められることなのですね。

 まず、姿勢を整えて、腹に力を入れて大きな声を出す練習です。腹式呼吸を習ったあと、攻撃者に対して、「睨む、大声で怒鳴る」(下から響くような低音で)に挑戦しました。攻撃者は自分が襲おうとしている女性から、大声で怒鳴られるという反撃を受けて一瞬ひるむでしょう。そこに逃げるチャンスが生まれます。

 まず、赤坂さんが見本を見せてくれました。彼女の細い体から見事な地響きのような声が出たので、「さすが〜」。腹式呼吸について説明を聞いてから、グループに分かれて練習したのですが、相手をひるませるくらいの大声を出すのは結構難しく、何度も練習しました。はじめは少し緊張気味だった参加者も、青木さんや赤坂さんのアドバイスを受けて思い切って声を出していました。

 腹の底から(のつもり。赤坂さんのデモンストレーションのようにはいかない)声を出し続けていると、体中に気がめぐって、大切な自分の身体を実感できます。そして、何やら力が出てきます。青木さんの言うところの「だいじな私に何さらすねん」気分です。こういうオーラが出ているだけでも違うかも知れないなあ。でも、ふだんこんな大声を出す練習ってどこでやったらいいのかな。防音の部屋が欲しい〜。

 体がほぐれたところで、相手が接近してきたとき、手をつかまれたとき、背後から襲われたとき、首をしめられたときなど、さまざまな状況を想定して、相手をひるませる方法を習いました。大事だと思ったのは、攻撃者をひるませ、すばやく走って逃げる練習です。私たちに必要なのは、「攻撃のための反撃」ではなく、「逃げるための反撃」なので、すばやく反撃し、すばやく逃げるは一連の行動です。これが結構難しかった。青木さんがいうように、日頃からの練習やイメージトレーニングが効果的かも知れません。

 それぞれが生活のなかで危機感を感じている私たちは、お2人に細かい質問をしながら、練習に励みました。終わってみて思ったことは、私たちは自分で思っているよりも自分で自分を守る力を持っている、それを知ることが大切だということ。“ちいさな力で自分を守る”未体験の方は次回ぜひ来て下さい。
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