| WCK8周年シンポジウム「働く私を支えたもの」 |
WCKも1995年の開設から8周年を迎え、9月21日に記念シンポジウム「働く私を支えたもの」を開催した。WCKスタッフの周藤由美子をコーディネーターに、シンポジストには亀岡市職員でこの3月まで女性政策(男女共同参画推進)を担当してこられた玉記道子さん、大津市役所の職員として女性政策を担当され、この4月から大津市会議員となられた岡田啓子さん、弁護士として女性に対する暴力の問題に取り組んでこられた段林和江さんの3人をお迎えした。いずれも女性が社会の中でぶつかるさまざまな壁をなくすことに仕事として取り組み、また自らも働く女性として組織や制度とパワフルに戦ってこられた方々である。それぞれご自身の体験や想いを交えながら、女性が組織の中で働くことについての困難さ、つぶれないでやっていくために必要なことなどを語っていただいた。
玉記さんは、6年前に新設の女性政策・男女共同参画担当係長となって以来、手探り状態のなかで情報を集め、女性の活動をネットワーク化してきた経緯を話された。女性フォーラムや情報誌、女性議会、女性の相談窓口、他市の女性政策担当職員との研究会など、女性たちが情報交換をしながら、想いを伝えあい、共に癒される場をつくることをめざしたと語る玉記さんの積極的な仕事ぶりが女性政策を具体化し、前進させてきたのだと感じる。また女性の働き方の難しさとして、若いときには女性らしい振る舞いや補助的業務が求められながら、ある程度の年齢になると一人前の職業人としての力が要求されるという変則的な立場や職場の中の色濃い「ジェンダーハラスメント」をあげ、ジェンダーに敏感な視点をもつことの重要性を強調された。玉記さん自身、何がジェンダーに起因する問題なのかを明らかにすることで楽になり、自分のすべきことが見えるようになったという。
岡田さんは1995年に北京女性会議に参加し、DVという言葉や“Personal is political”というフェミニズムの視点に出会ったことをきっかけに、行政職員として女性の抱える問題の解決に奔走してこられた。96年には市民相談の一部という形で「女性の悩み相談窓口」を開設。99年以降は大津市の男女共同参画の責任者として果敢に仕事をこなされていた一方、次第に男性の管理職などからのバッシング(バックラッシュ)も強くなり、ストレスで体調を崩されたことなども率直に話された。「出すぎた杭は打たれ、引っこ抜かれた。でも新しいところで杭を打ち付ける」とのことで、4月の統一自治体選挙に挑戦して見事初当選。これまでの経験を生かしながらも違った立場で女性の問題に取り組んでおられる様子を紹介された。
段林さんからはまず、女性が働くことや経済的に自立することが困難な日本の社会について、M字型就労や低賃金の実態、家事や育児の負担、コース別雇用管理などの問題点を資料をまじえて説明していただいた。妊娠・出産・育児に関する法的権利に触れ、この10年で法整備はそれなりに進んだが、実態はそれほど変わっておらず、女性の問題は労働問題を抜きにしては語れない、と述べられた。また司法関係者自身のジェンダーバイアスにも触れ、そのような中で仕事を続けていくために必要なこととして、愚痴なども含め話のできる関係をもつことや職場以外の居場所をもつこと、仕事を自分の100%だと思わないこと、公私の私
の部分を大切にし境界線を引くこと、などをあげておられた。
周藤はフェミニストカウンセリングの視点から職場における自己尊重や自己主張について話した。ジェンダーの視点をもつことや仕事上の評価の相対化、社会資源の有効活用、また職場での獲得目標を明確にしたうえでの自己主張など、3人の方々が実践されてきたことと重なるように思う。
働く女性をとりまく環境は依然厳しい。女性同士がつながることの大切さを再確認させてくれたシンポジウムだった。 |
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