| あなたが離婚を考えるとき〜我慢しなくなった女たち |
2月の公開講座は女性の「離婚の自己決定のしにくさ」に焦点を当て、どんなサポートが有効なのかを、3人のシンポジスト、62名の参加者と共に考えました。
弁護士の浅岡美恵さんには、最近の離婚事情から見えたものと、法律的に知っておいたほうが良いことを話していただいた。
4組に1組が離婚する現在の離婚事情から、女性が我慢しなくなっている。女性からの離婚理由としては、夫の家庭内暴力、仕事中心で家庭責任を果たさない等があげられるが、妻からの離婚請求理由を理解できない夫が多く、その辺は男性の離婚裁判官にもみられる。経済的には、財産分与、慰謝料、養育費のどれもが少ない。賢い離婚のためには、結婚を永続的にとらえず、夫婦別の財産管理を心がけ、不動産取得時は共同名義にする。生活費を確保してからの離婚が望ましいが、安全のためにとりあえず家を出るケースもある。子どもを引き取りたい時は、連れて出ないと後で引き取るのは難しくなる。
次にハンド・イン・ハンド大阪世話人の渡辺梢さんは、体験を通した切実な思いと、当事者グループの有効なサポートについて話された。
離婚に踏み切れない理由として、経済的には、中途就職の難しさ、就職できても不安定なパート労働、別居するにも家が借りられない、母子家庭には貸してもらえない、家賃が高く、公的住宅が絶対的に不足しているといった事情。心理的には、不安と孤独に揺れている中で、離婚という自己決定をしなければならない。ほんとうに苦しいとき伝えられないし、言えない。心身が傷ついた最低のパワーの時に自己決定しなければならない。子どもがいる場合、その自己決定が子どもから父親を奪い「父なし子」にする責任に迷い、一歩を踏み出せない。体験しないとわからないためにまわりから「あんたのわがままや」と理解されない上に、子どもの問題にどう答えるか迷う。専門家からは、「親が思うより子どもはたくましい。子どもは、三歳は三歳なりに、それぞれの年齢に応じた理解をするので、偽りを演じるより誠実に子どもに話す方がよい」とアドバイスを受けている。離婚へ一歩踏み出すためのサポートとして当事者グループ、ハンド・イン・ハンドの会が実践しているのは、情報の提供─知ることで不安を少なくし、その気になればできるのを知る。ネットワーク─辛さを共有し、一歩先行く仲間からパワーを分けてもらう。また離婚後のネットワークも大切で、「シニアの会」や子どものための「ジュニアハンドの会」がある。ハンド・イン・ハンドの会は、息抜きができ、他で言えないことが言える場を提供している。大阪の活動が14年になる。京都、神戸にないので、ノウハウは伝授するので是非作って欲しい、とのことだった。
最後にWCKの小松明子が、フェミニストカウンセリングの立場からカウンセリングなかでどう離婚をサポートするかを話した。
夫婦関係を見直し、感情の整理を行い、自分はどう生きたいのかを再考し、自己決定できるようにサポートする。自己決定を阻むものとして、低い自己尊重感、離婚の否定的イメージ、他者からの非難・批判、経済的なこと、子どものこと、相手の離婚拒否等がある。これらの一つ一つを検討しながら感情を十分に表現し、かけられる限りの時間をかけて自己決定する。暴力をふるう夫の場合、離婚したがらず、調停や裁判が長引くため、特にサポートが必要になる。離婚は自分らしく生きていく選択のひとつである。我慢してそこに留まらなくていい。私たちには、心身ともに健康に、安全に、自信をもって生きる権利がある。
WCKの公開講座で離婚は始めてのテーマでしたが、参加者から活発な質問や意見が出た。そのなかで離婚における女性の経済的弱さ、年金、老後の不安が語られた。「10年先を考えると経済的に不安で・・・・・・」に渡辺さんの「10年先は生きているか死んでいるか分からない。だから勇気と希望をもって生きていきたい」が印象的でした。 |
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