公開講座

産婦人科医療を問う

タイトル
産婦人科医療を問う
実 施 日
1997年3月23日(日) 13:30~16:30
場  所
ウィングス京都
講演者
シンポジスト
(敬称略)
左古 かず子(あゆみ助産院)
岡田 啓子(元滋賀医科大学助教授笠井寛司の著書『日本女性の外性器』の出版に抗議する会)
宇野 澄江(ウィメンズセンター大阪)
コーディネーター
吉田 節子(ウィメンズカウンセリング京都)
概  要
まず、岡田さんが、大学病院の中で女性患者の外性器が無断で写真に撮られ、それが「学術書」と称して出版されるという許されない人権侵害の実態を話されました。

そしてあゆみ助産院の佐古かず子さんはご自分の経験も交えながら助産婦の立場から見た産婦人科医療、そこでの教訓を生かした助産院での活動について、ウィメンズセンター大阪の宇野澄江さんは、
センターでの電話相談等を通じて感じる現在の医療の問題点や、女性自身が自分のからだ、性器を肯定することの大切さについて問題提起されました。

産婦人科医療の現場も医者の大多数は男性が占めており、「おんなのからだは子産みのため」という差別的なものの見方が支配的です。

患者の全体を見ず部分を見るという治療法(診察台でのカーテンなど)や「産む」ことのない女性の子宮や卵巣は取ってしまった方がてっとりばやいという考え方は、女性を人格を持った一個の存在としてでなく、モノとして扱うものです。

笠井問題も単なるインフォームド・コンセントの問題ではなく、「女」だから起こったのであり、男には絶対起こらない人権侵害だという宇野さんの発言には「そうだ!」と納得。このような医療を女性のための医療に変えていくことの必要性を痛感しました。

その一方で、女性が自分の身体のしくみを知らない現実も変えていかなければならないと感じました。
女性の性器は見てはいけないもの、語ってはいけないものとして、社会から、そして女性自身からも否定的にとられられている場合が少なくありません。

アメリカでフェミニズム運動が大きくなるきっかけのひとつとなったのが『からだわたしたち自身』という本であったように、自分の身体のしくみを知り、自分の身体を好きになることは、私たちが自己肯定する大きなパワーとなります。それを改めて考えさせられた公開講座でした。

入 場 料
1,000円
備  考
主  催
ウィメンズカウンセリング京都
共  催
報 告 書
あり

1997/03/23 [公開講座]