公開講座報告書

2022年公開講座報告

ジェンダーの視点で新たな女性福祉の構築へ
~「困難な問題を抱える女性」の現状と女性支援新法の可能性~

2022年11月20日にウィメンズカウンセリング京都(WCK)主催で公開講座「女性支援の新法を学ぶ~『困難な問題を抱える女性』が必要な支援につながるために」を開催した。2022年に成立した「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」について、新法の成立に尽力された戒能民江さん(お茶の水女子大学名誉教授)から法律ができるまでの経緯や新法の内容の解説をしていただき、中村明美さん(認定NPO法人ウィメンズハウスとちぎ顧問)から「困難を抱える女性」の現状を学び、竹之下雅代(WCK代表)がジェンダーの視点に基づく支援についてお話しした。これは京都府の女性活躍支援ワンストップ拠点推進事業の一環としてオンラインで開催され、当日は全国から140名以上が参加された。以下にシンポジストのお話をまとめて報告したい。

 

<戒能民江さんのお話>

女性支援新法の特徴は議員立法であること。今回は与党主導で超党派の議員連盟を作り、婦人保護事業3機関(婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設)、民間支援団体との意見交換を重ねた。ロビイングでは、DV、売春への政治家の偏見も感じたし、市民側も全く一体とは言えなかった。そんな中で新法を実現できたのは政治の力も大きかった。

1956年に売春防止法が制定されてから66年間。婦人保護事業は社会の隅に追いやられていた。売春防止法は、売る方も買う方も禁止するけれど処罰せず、売春を助長する行為として業者と売春を勧誘する女性を刑事罰に課すという法律。売春する女性を処罰しても繰り返すだろうから、保護して更生させるというのが第4章「保護更生」で、そこに婦人保護事業の3機関が規定されている。事実上の女性支援事業を売春防止法から切り離し、新たな女性支援の枠組みを構築するというのが今回の法制定の大きな狙いだった。

婦人保護事業3機関について、婦人相談員は現在1500人以上いて、都道府県には設置義務があるが、市区町村はそうではない。婦人相談所は配暴センターとの二枚看板で、婦人保護事業の一時保護制度をDV法に転用してDV被害者を保護している。そのため危険回避が必要となったことが大きい。婦人保護施設は、全国で7県になく1県はお休み。任意ということでいいのか?また、利用者も減っている。長期にわたる集団生活という婦人保護施設や一時保護所のあり方も問題がある。厚生労働省はこのような婦人保護事業の説明をするときに売防法が根拠であることを明らかにしていない。婦人保護事業の限界はここにある。相談・支援のニーズは変わる。風営法により買売春が潜在化し、婦人保護事業は、女性の「生活相談総合事業」に変わったけれど、法改正ではなく行政通知による「要保護女子」の範囲の拡大(DV法、人身取引・ストーカー)で対応しただけだった。一方で、閉鎖的な婦人保護事業に外部の目が入ることで婦人保護事業による支援の限界が顕在化したともいえる。

ニーズと支援が乖離していたのに、厚生労働省は調査をせず、2017年に初めて婦人保護事業の全国実態調査をした。それまで民間シェルターや婦人保護事業の団体から問題は指摘されていた。たとえば一時保護の基準がなかったり、地域格差もあり、一時保護所での支援内容もわからない。件数も少なく、支援の個別性や専門性はどうなのか。また、一時保護以降の中長期的支援がない。3機関間の連携も不十分であり、集団主義的対応における「管理的指導」も問題である。権利としての支援ではないからだ。厚生労働省のHPに実態調査の結果も出ているので参照してほしい(子育て支援→困難女性→婦人保護事業の現状)。

それでは女性支援新法はどのような法律なのか。現在はまず脱売防法化ができた段階で、新たな女性支援の枠組みはこれからといえる。

法の目的で「ジェンダーの視点」という文言は入れられなかったので、「女性が女性であることにより日常生活、社会生活で困難に直面することが多い」という表現になった。

また「困難な問題を抱える女性」の定義では、「日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む)」ということで、あらゆる女性が入るべきと考えた。

そして、基本理念が最も大事だが、ここでは「女性の意思の尊重」を前面に出している。「被害からの回復」を入れてほしいという支援現場からの要望も大きかったが、それはストレートに入れられなかったので、「心身の健康回復援助」という表現になった。多様な支援を包括的に提供する体制と、関係機関・民間団体との協働による支援(連携や活用ではないというところがポイントである)というのも盛り込まれた。

今後は女性福祉を構築しなければならない。直接支援の多くは「福祉サービス」で、それは権利擁護を目的とするが、女性保護事業は「福祉」法制度の枠外であった。それは処罰を目的とした刑事法である売防法が根拠法だったからだ。最近の「福祉サービス」では、包括的支援の多機関連携、伴走型支援、断らない相談などが取り組まれている。「新しい生活困難層」(宮本太郎)に困難女性も重なっている。社会福祉へのジェンダー視点の導入が必要である。

婦人保護事業の3機関は、「女性相談支援センター」「女性相談支援員」「女性自立支援施設」と名前は変わるが、新法下でも女性支援の中核になるだろう。

新法は議員立法なので、基本理念はあるが、それを実効性のあるものにする内容が法律に具体的に示されていない。2023年3月までに国が基本方針を作り、都道府県が基本計画を策定し、さらに女性相談所の政令、ガイドライン・指針を改訂したり、人材の養成・研修、調査研究のビジョンを徐々に作っていくことになる。私たちにとって大事なことは市や区に働きかけることである。

ワンストップセンターと新法の関係では、新法の対象範囲のトップに「性被害」を挙げていることが重要である。女性支援事業における性暴力被害者支援には専門性が必要である。また、何よりもワンストップセンターの根拠法としての性暴力被害者支援法が必要であろう。そして、中長期の被害回復支援(婦人保護施設の一部で担当)との連携を密にする必要がある。

1月20日以降にパブリックコメントを実施する予定なので、是非、現場からの意見を寄せてほしい。希望を持ちながら新しい世界を切り開こう。

 

<中村明美さんのお話>

冒頭「DV法がなかった時、婦人相談員は火を手でつかんでいた」(『婦人相談員の歴史』より抜粋)という原稿を読まれた。

婦人相談員になって2年目に、民間シェルターを立ち上げたきっかけの話だった。

公的な機関でできない支援に当事者と取り囲んだ人たちが、当事者の「ヒューマンライツないね」の言葉に動かされ、その後の裁判の判例になる勝訴を勝ち取ったこと。

「それから25年、時々困難な問題を抱えた彼女を、裁判を支えてくれた仲間が親戚のように支えている。家族の絆をなくしたシェルター入所者の退所後の自立支援の理想として、私はこの形を思い描いている」という文で原稿は終わった。

 

(中村さんのお話)

28年、相談をやってきて、多くの暴力のトラウマを抱えた女性にどう対応するかということが課題だった。これまで支援してきて、暴力から逃げてきた女性は、病院を受診するが、暴力のトラウマに専門的に対応できる病院は周囲になかった。

相談者はトラウマ症状があるときには相談の窓口に行かない。だから支援者にはその状況がわからない。私も最初はわからなかった。朝、シェルターに電話がかかって「大変だ」と飛んでいくと、ネコがゴミ箱を倒して食べ散らかしている。ただそれだけで、夫がそこに来たわけではないのに何かあると衝撃を受けてしまう。衝撃に弱い、そういうものを抱えながら日常生活を送っている人たちの困難がある。

なぜ周りの人に困難な状況が伝えられないのか。DVの渦中で症状が出るのは理解されるけれど、暴力から逃れて生活が落ち着いた後に症状が出るからだ。スーパーに行った時に夫の車と似た車があっただけでその場にうずくまってしまう。恐怖感から解放されず逃げ回っている。シェルターを出ても、夫の追跡を避けながら、心の傷を抱えながら、体調不良と闘いながら、仕事を探しながら、子どもの問題を抱えながら、離婚調停や裁判と闘いながら、経済的困窮に迫られながら、新しい生活を切り開くのはとても大変。

「支援者はどう関われるだろうか」と考えてきた。

トラウマを受けてもトラウマ反応が大きくない人がいる。どこが違うのか。個人の特性や起きた出来事は変えられない。変えることができるのは取り巻いている環境である。「DVは彼女がうまくやれないから」という人と出会うか、「あなたは悪くない」という人と出会うのか、有効な社会資源やシェルターがあるかどうか、住みやすい地域社会ならば同じ被害を受けてもトラウマは軽減されるのではないか、ということで相談をやってきた。

しかし、支援活動を始めて25年経って70歳になったとき、もう引退だと思った。本当に困難な問題を抱えた女性は相談機関や専門家のところにつながりにくい。支援するのに必要な対応力を備えた居場所(施設など)がない。相談員が相談を受けても、相談者のニーズに応えられず、相談者との関係性の構築が脆弱にならざるを得ない。そんな相談機関の現状に限界を感じてしまった。

 

今回のシンポジウムで話すために、ずっと以前から関わっている相談者のBさんと話した。これまで夫に連れ戻される恐怖で逃げ回っている彼女をどうやって自立させてやろうかと、当事者中心ではなく、相談員中心で考えていた。Bさんに自分もこういう話は最後になると、相談員の立ち位置を変えたら横並びで話せた。

Bさんは、20年も前から、夫から探しだされるのではないかとずっと不安を抱えている。夫につながることを連想するとパニックになって移転、転職を繰り返す。Bさんは、長い間、年末になると電話をかけてきていた。「今年も生きてます」と言う。そんなBさんにこの講座であなたのことを話してよいかと了解を取るために電話をした。

「最近はどう?」と聞くと、「一番いい。マスクをするので顔が半分隠れる。みんながマスクしているから変に見られないから。最近はリュックサックで通勤している。これも、最近のいいこと。両手がふさがっていないので夫が急に現れても抗うことができる」と話す。二人で笑った。トラウマの回復はないし、病院にも行かない。どこかに回復を助けてくれるところがあればいいと思うけれど、ないと彼女は思っているし、私も思う。「胸がザワザワするとどうするの?」と聞くと、「あと1日我慢して治らなかったらウィメンズハウスとちぎに電話しようと思って我慢している」と言う。そうやって1日をやり過ごす。電話すると自分のことをワカル人がいる。それが彼女たちの生き残り術なんじゃないか。

相談といえば「殴られる、犯される、逃げる」。この仕事をやっていて、自分は傷んでいるんじゃないかなあと思ったことがあった。私の仕事が「死」と間接的に、関わっていることを意識化しないようにしてきたのに、夢を見た。のどかな夢なのに自分が気にしていることが、はっきりわかる夢だった。そこである方にメールを打った。「こういう夢を見ました。これって二次受傷でしょうか?」そうしたらその方が「会いましょうか」と言ってくださった。その時「会わなくてもいい」と思った。ここに自分の状況を分かってくれている人がいるから、と思った。

今、新法が「困難な問題を抱える女性たち」の現状を変えることに期待している。

 

<竹之下雅代の話>

変わらない「男性」中心社会(ジェンダー格差社会)のなかで「困難な問題を抱える女性」に対して有効な新法とするために私たちができることは何かということで話したい。

フェミニストカウンセリング(FC)で出会った「困難な問題を抱える女性」は、女性であることの上に、複合的な差別・困難を抱えて生きている方である。ここまでの人生において心的外傷を負って、人への不信や自信のなさを抱えて、生きづらい女性たちは、政策・制度の不備、支援の貧困のなか「心ある支援者と出会えたら、超ラッキー」という現実があり、そうした中で中村さんのように、一部の支援者が苦労して取り組んできていた「支援」がある。

FCから見える必要な支援としては、「家族」から避難した女性たちへの、お金、つながり、安心安全の策がある。「家族」制度から飛び出した女性に「冷たい」社会があり、DV、虐待など「親の支配」「家族の暴力」から離れた後、貧困、孤立、再被害とたどることも多い。居所の確保、自立の困難(施設の入退所の繰り返し、転々とする施設入所)、そして、誰にも知られず一人で死を迎える終末もある。

さらに「逃げたくない」「支援を受けたくない」と話す女性たちの現実に対して、多様なメニューの支援策が必要である。「逃げたくない」「支援を受けたくない」のではなく、「逃げられない」「望むような支援がない/支援を受けて傷つくのがこわい」のではないか。そして、性虐待・虐待被害が、(現在は無いのなら)家族の元にとどまる(再統合のかたち)ということもある。社会的支援の貧困によって「ほかに行くところがない」、「性虐待の非加害親とは一緒にいたい(非加害親は経済的理由から性虐待加害者と離れられないことが多い)」ということもある。また、心理的支援の貧困・トラウマケアの不足もあり、外傷性の絆、心身の不調の不安などで家を出られないこともある。そして非常に多く聞かれるのが、行政の支援への不信である。「行政の支援は受けたくない」「自分の情報がいろんな人にばらまかれて信用できない」。「自分が支援をしてもらえる存在とは思えない」「人を頼ったことがない」と語る方も多い。

また、「心理的支援」の充実がないと、傷の手当は手つかずのままで、再演、再被害というトラウマの連鎖は続いてしまう。虐待を受けたら虐待をするわけではない。トラウマに気づきケアを受ければ連鎖を断つことができる。次世代の子どもたちに問題を繰り返さないためにも、母子の安全の確保にとどまらず、これからの生活の中でトラウマをケアして母子関係を再構築していく必要がある。

このような「心理的支援」においては、力の行使にセンシティブな対話の相手として、関係の構築や心理教育、心理カウンセリングが重要である。その支援の軸のひとつとなるのがFCではないか。そして、今後ますます無料カウンセリング(女性相談、女性つながりサポート事業等)の必要性も大きくなるだろう。女性つながりサポート事業の無料カウンセリングは今年度の前半は予算がなくなって受付を中止するほどだった。また受付を再開しているので無料カウンセリングを是非受けてもらえたらと思う。

「困難な問題を抱える女性」の問題は、「男性」中心社会、ジェンダー格差社会が長きにわたって変わらずに続いてきた弊害である。彼女たちの「社会から不可視化される存在」「社会の『お荷物』とされる存在」というスティグマの転換をしたい。自分が法律の対象と思えない女性はそういう扱われ方をしてきたからだ。「パーソナル イズ ポリティカル」(個人的な問題は社会政治的な問題とつながっている)で求められているのは、ジェンダー平等な社会へのあらゆる領域での変革である。「困難を抱える女性」に対して「支援する・される」関係ではなく、力の行使にセンシティブなFC実践として、地続きの共通の問題として取り組みたい。

 

<感想>

これまで婦人保護事業の根拠法が売春防止法であることは知っていたが、それがこれほど支援の貧困につながっていたのか、ということが戒能さんのお話を聞いてよくわかった。それだけに今回、それを廃止することができた意義は本当に大きいと思う。そして、そんな中でこれまで中村さんがトラウマを抱える女性への支援を「素手で」闘ってこられた実践は本当に胸を打つものがあった。それだけにFCの役割が今後、ますます重要であることを竹之下の提起から確認することができ、非常に充実した内容の公開講座だった。

(周藤由美子)

WCKニュース第105号より転載

参加者アンケート

皆様の活動には頭がさがります。すべての女性の人権が尊重され安心して暮らせる社会となるよう自身もできる取り組みをしたいと思います。
法律、行政にジェンダーの視点が必要ということを強く感じた
法整備の問題から実践的話でとても興味深かった
新法のこれからの動きに関する戒能先生のお話しが興味深かったです。
新法の概要を知りたいと参加したシンポジウムでしたが、法成立への働きかけや現場の思い、これまで相談員としてカウンセラーとして現場を持ってこられた方のお話に、胸いっぱいになりました。ありがとうございました。
今後に期待しています
法律制定の意義を改めて感じました。
行政と民間の役割についてこの機会に考えることが重要だと思います。
ジェンダー不平等社会が継続し続ける理由、また、その社会を望む(利益を得る人)のはどのような人たちなのでしょうか。
パーソナルイズポリティカルであると知ってもらうことが大事である。
女性支援新法についてはよくわかりました。
 困難を抱える女性という言葉を聞くと、精神科クリニック、デイケアで出会う女性をまず思い浮かべた。しかし、クリニックにつながれない女性も多い。医療従事者である私が言うもの変だが、医療は入り口ではあるかもしれないが、医療だけですべてが解決するものではなく、医療以外のいろいろな支援の選択肢が必要と思いました。
今日はお疲れさまでした。女性支援新法について詳しく知りたいと思っていましたので、戒能さんの詳しく分かりやすいお話でとても理解が進みました。男女共同参画の法律ができてから基本方針、基本計画、条例などと県から市町村へ広がり、現在私の市でも条例ができ女性相談の窓口を作ることができ、女性相談員の養成をすることができました。今後この新法が広がっていく中で、市町村にも具体的に支援していく根拠ができていき、更に相談だけでなく、具体的な支援をしていくことや支援員の養成ができていくことを期待してとても心強く思いました。せっかく法律をつくってもそれを運用していくことが大事ですよね。今後の行方をしっかり見守り、相談の現場の声、当事者の声を反映させ生きた法律にしていくために自分たちができることをしていきたいと思います。
新法が議員立法によって作られ、困窮する女性が救われることは良かったです。今日のお話を聞いて、DVをはじめ多くの男社会がこれまで軽視してきたジェンダーの不平等の実態をあらゆる場面で変えていくことに、今まで以上に努力しようと思いました。それと、「幼少期から大人に至るまでの切れ目のない『生と性の教育』」が、一人ひとりの命と人権を守ることにつながると思うので、早くそういう教育が日本中で実施されるよう、取り組んでいきたいと思いました。ありがとうございました。m(_ _)m
幼少期に虐待を受けており、今現在カウンセリングを受けている当事者です。どこにも所属していません。女性支援について興味があったのと、今後自分はどういう法律で守られる可能性があるのか知りたくて参加しました。売防法を切り離す重要性や新法が出来た過程、これからの課題、現場の方の活動内容や意識されていることなどを伺うことが出来、勉強になりました。私も長年言葉を奪われていたと思いますが、知識をつけて取り戻していきたいと思います。ありがとうございました。
女性支援の新法について、とても分かりやすく話していただき、とても勉強になりました。私は社会福祉士として長年仕事をしてきましたが、ジェンダーの視点を学ぶ機会は確かにほとんどなかったと思います。しかしそのことに違和感を感じることができないまま仕事を続けてきていたようにも思います。今でも「男性」中心社会は根っこに存在し、それに違和感を持てなくなることこそ怖いことであると思います。多くの女性が大切にされて良いことを気付けるような社会にしていかなければならないと思います。この法律を機に、今後はもっと学び気付く機会が増えることを期待します。売防法から66年、、本当にとても重みがあることであると思います。
今日は本当にありがとうございました。
女性の人権が確立されていない中で女性支援をすることはどれほど困難なことだったかと思います。法律が少しずつできてきて、やっとここまできたという感じですが、新法ができるにあたり、当事者や現場の声が少しでもきき遂げられることを願ってやみません。
本日は貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました。
法律を作り変える作業は、現場実践をし、こんどの法律はこうあるべきを、皆で構築しながら、繰り返し話し合いながら作るものだと教えられた。現場の意見をどんどん反映していこうと思った
戒能先生の新法についての説明は、理念等、議員立法の構造など多くの学びになりました。また、私の女性支援の知識から売防法はほとんど意識になくDV法からのスタートであったことに気づきました。
中村様の実践に基づいた話は重く、これこそが困難を抱える女性の支援に必要な核であると感じました。
竹之下先生の「パーソナルイズポリティカル」の視点は、関わることが困難な問題について自分が考え、できることを探るときに、自分の中にあるジェンダー意識がぶれないための視点であると再確認しました。
超党派で法律を与党主導で作ったなんて信じられないですが、突き動かす運動が会ったのだろうと思いますが。この新法のことは知らなかったので、消化できませんでしたが、勉強したいと思います。これからのやりたいことが見えてきた気がします。中村さんのお話も思わずこみ上げてくるものがありました。私の叔母たちも貧困家庭から、からゆきさんだったり昔の売春宿に売られたりだったと聞いています。誰も多くを語らず死んで行ってしまいましたが。
これは、人権の問題なんだと言われたとき、なるほどと、思いました。感情だけで無く理論的にも学び行政にも訴えていける民間組織にしていく必要を感じました。経営も考えないと職員の生活もあるので、補助金が必要だと感じています。貧困でもカウンセリングを受けて再生できる様になるには、カウンセリングや支援を受ける必要があります。これは、権利なんだと思いました。
長年にわたり女性支援に関わって来られた講師の方々のお話は、大変解かりやすく、内容も分厚く勉強になりました。長く法律の世界で女性支援に取り組まれた先生の困難は如何ばかりかと、苦労を想像しながら、しかし今もなお熱く取り組んでおられる姿に感銘を
受け勇気をいただきました。2名の講師の方々は、これまでの経験の中での具体的な例を挙げながらの講義は感涙するほどでした。この法律をより良いものにするために出来ることを考え、行動しなければならないと思いました。大変素晴らしい講座ありがとうございました。
先ずは、困難と判断する基準?誰がするのか?それによって保護されたりされなかったりの問題があるのではないでしょうか・・・・
今回の新法は、公的機関と民間団体が共動と、とても理想で良いとは思いますが、資源をたくさん使える公的機関が中心になって欲しいと思います。
現在の女性支援の課題を改善するチャンスかもしれない、「女性」という視点から新たな支援のあり方を具体的に提案していこうとしている動きがあることをよく知りました。
 今日は充実した講座を開いていただきありがとうございました。
戎能さんのお話は知らなかったことが多く、大変勉強になりました。中村さんのお話は、実際のお話で、相談者の方にとことん寄り添われ支援されたお話を聞き、支援をするということの中で一番大事なことは信頼されるということ、裏切られても自分に向けられた信頼を裏切らないことだということを再確認し身が引き締まる思いがしました。「胸がざわざわした時に電話するところがある」ということも、自分に置き換えても本当にそれがあるからやってこられたと、改めてWCK京都をはじめとする自分の心のよりどころとなってくださった方々や、ジェンダーという視点などの考えに感謝しました。また、いつかまたさらなる中村さんのお話を聞かせていただけたらと思います。
竹之下さんのお話は、いつも意識しておかないといけない重要なことばかりでした。「被害者が言葉を奪われていたからそれを支援の中で取り戻していく。」「ゆっくり考えて、自分はそうしたいのか決めていく」というような内容もあとでお話しされていましたが、どんな支援にもこころしておかないといけないと思いました。今日は短い時間でのお話でしたが、いつかまた講義を受けたいと思いました。
そして、無料カウンセリングのお話もされていましたが、私は中学校の養護教員で、教育相談コーディネーターもしているのですが、ジェンダーの視点を持った生徒指導や教育相談はまだまだのところがあるので、学校は相談機関ではありませんが、自分でお金を支払うことはできない生徒たちや保護者のための健康相談や教育相談で、やはりジェンダーの視点をもって取り組まないといけないと改めて思いました。そして、教職員は生徒についての相談はスクールカウンセラーや相談機関に相談をしますが、自身の相談は専門家に相談していないので、その点でも、フェミニストカウンセリングを学んで、役立てたいと思いました。
本当にありがとうございました。
女性支援の新法について、学びのきっかけを頂きました。ありがとうございます。
現在、私はひきこもり当事者や家族のカウンセリングを通して、世の中の当たり前に翻弄され苦しんでいる方たちと、向き合ってきました。
今回の講座から、皆さんが地道に活動を続けて来られたことが、女性支援の新法成立に繋がってきたことを、実感し勇気をもらいました。
今後も、この新法に関心を持ち続けていきたいと思っています。
女性支援新法制定に、長年尽力されてこられた戒能民江さんのお話が聞けて大変良かったです。また支援の立場の中村さんと竹之下さんから具体的なお話が聞けて参考になりました。「当事者ファースト」は大事な視点と思いました。また、法律が運用されるには市区町村の基本計画の策定が重要ということもよくわかりました。地域での学習会を開催したいと思いました。ありがとうございました。
新法のポイントがよくわかりました。また、中村さんと竹之下さんのお話は、実際の相談を通して気づかれた、相談者の気持ちを聞かせていただけるのが参考になります。
女性相談は、相談を受ける側も自分の思い込みや理解できていない点などに気づかされることがありますが、ときどき今回のようなお話を聴くことが、自分の考えを補正するために必要と思います。
とても濃い3時間で、長年女性支援に携わって来られた先生方のお話はとても深いものがありました。
就労支援の現場でも医療や福祉の介入が必要と思われるケースがありますが、個人情報保護と事業が縦割りになっている点でなかなか横展開ができず、歯痒い思いを抱えています。女性支援の視点を持つ医師がほぼいないということをおっしゃっていましたが、今回の新法をきっかけに医療や福祉、子育ての現場の方々にも今回のようなお話を聞いていただけると社会の支援システム全体が包括的に変わっていくのではと思いました。
あと、今の仕事をしていると女性支援という言葉や感性が若い世代にはどのように伝わっているのかなという疑問もあります。ユニセックス、ジェンダーフリーのような性差を意識しない新しい生き方が広がる中、どう支援の手を届けるかも課題ではないかなと思います。
デートDVや性産業の犠牲になっている女性はいまだにたくさんいますし、それが本来あってはならないことであるということに気づいてSOSの声をあげてほしい、そして本当は男性にこそ学んでほしい。
性差をなくすのではなく、さまざまなライフイベントを含めて各個人が生まれ持った(もしくはその人がありたい)性とその人の人生を調和させながら生きられる社会になっていってほしいなと思います。
今回、同じく参加していた友人に紹介されて、参加しました。今年女性支援に関する新しい法律ができていたことすら知らなかったのですが、売春防止法以後の経緯から新法成立に至った意味を知ることができました。弱い立場にある人を支援するための法の整備には市民活動が大きな役割を果たしていることが、努力が感じられました。一方で、困難を抱える女性の日常・現場と、「男性」社会がつくった法律に乖離があるにもかかわらず、「支援」視点の法整備にこんなにも時間がかかるのか・・・と社会の不条理も感じました。売春防止法の考え方には驚愕しました。売春を選択「せざるを得なかった」だろう人が「刑事処分」「更生」の対象だったとは信じられません。
本来は公的な相談支援・経済的支援等につながってもいいはずの女性が、あまりにも多く自力で踏ん張ってたり、踏ん張り切れてなかったりするのだろうなと想像します。
私も少し前、女性ならではの困難下にあってカウンセリングを利用していたとき(「モラハラ」のような状態だったのでしょうが)、「しんどいはずの自分が、なぜ決して手軽とは言えない利用料を払って一人で脱しようとしなければいけないんだろう」と思ったことがあります。その当時は「自分は被害者である」「女性だからこその問題なのだ」という自覚もなかったので、「女性相談」という窓口にあえて行こうとは思い当たらなかったり、「無料の相談は自分よりもっと大変な人に優先して使ってもらわないと」と感じたりしていました。
心理的支援を必要としている人、女性の問題に限らず現代ではたくさんいるのに、支えてもらうための金銭的負担もネックになのだろうと、命の危険があるという状態では「今は」ない、という人でも、継続的な相談にもう少し安い料金で通えたりできるようになればと思います。莫大な予算が必要なのでしょうが・・・
新法の下で支援がよりよくなるよう、また「被害からの回復」という視点が理解されていくよう、望みます。今後女性の問題、家庭の問題等に関わるとき、見聞きするとき、法制度の面からも考えられるようになりそうです。よい機会をもうけてくださりありがとうございました。参加してよかったです。
相談を受けるにあたって大変に勉強になりました。相談業務を行っているものとして、女性支援法の施行に向けて期待しています。

2023/01/21 [公開講座報告書]